数学と絵

数学の勉強をしています。高校数学の基本的なことから、学びなおしです。

きっかけは昨年マーカス・デュ・ソートイ著 富永星訳『シンメトリーの地図帳』(新潮文庫)を読んだことだったと思います。それ以前から自然科学系の雑学書はよく読んでいました。印象に残っているものを挙げると、サイモン・シン著 青木薫訳『暗号解読』(新潮文庫)、福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』(講談社現代文庫)、ジョン・D・バロウ著 小野木明恵訳『無の本 ゼロ、真空、宇宙の起源 』(青土社)など。

科学者に憧れがあるからだと思います。子供の頃のアイドルはエジソンとアインシュタインでしたから。

 

前述の『シンメトリーの地図帳』はかなり高度な数学の話がバシバシ出てくるので難しかったです。群論の話とか急に出てきました。それがとても面白く、自分の知らない世界に出会うことができました。イスラム建築の幾何学模様の数学的分析が、次第に高度な現代数学のお話になっていきます。

話がイスラム建築の壁に描かれたモザイク画から始まるため、絵を描く私としてはとてもとっつきやすかったし、それと数学に密接な関係があることに非常に興味を持ちました。

 

もしかしたら、絵と数学には多くの共通点があるのかもしれない。

私は数学の知識は高校レベルで止まっているので、高度なことはわからないけれど、そんな予感がしました。

数学から絵を考えることができるかもしれない。そんな荒唐無稽な直感から数学の勉強を始めました。

まだまだ高校数学の参考書レベルですが、大学レベルのものを理解できる程度に地道に勉強を続けたいと思います。

 

岡潔という日本の数学者がいました。彼の著作「春宵十話」(昭和38年)では、芸術と数学は似ている、と繰り返し語られています。一流の数学者が言っていたのだから、絵描きが数学の勉強をする意味はあると思いました。

 

 

水彩画2018
水彩画2018