カフェlampでの個展はこれで4回目になる。
まずは、今回ハガキサイズ水彩画をメインに置いた経緯を書く。
昨年の夏ごろに、当個展の予約をする。その時から個展の構想を練っていた。
lampは創業14年になる。長い年月を経て店内にはlamp独特の個性が隅々まで行き渡っている。これは、一般的なギャラリーと大きく異なるところで、ここに私の絵を置くと、lampの個性との差が強調されて良くも悪くも「浮いて」しまう。
カフェなど、公共の場での展示とはそういうものだと割り切ってしまえばそれまでだが、ここで何度も展示をさせて頂いた身としては、その違和感をもう少しコントロールしたいと思った。
lampのオーナーかおりさん曰く「このカフェは私の作品と言えるかもしれない」という。その通りだと思う。
つまり、そのlampの中で私の絵を展示するということは、必然的にかおりさんのお店と私の絵のコラボレーションとなる。これは、今回の個展にあたっての構想のかなり最初の段階でイメージしていたことである。
lamp入口から店内を見回すと、左手のカウンター側の壁にはハガキサイズの様々な作品が貼られている。これはオーナーかおりさんの思い出の品とも言える愛着のあるものでlampという作品の素材のひとつとも言える。その向かい右手側の白い壁が展示スペースになる。
左側の壁の作品群と同様に、右側の展示スペースを埋められたら、バランスがとれるかもしれないな。というアイデアが出発点であった。
上の画像はlampのカウンターの様子である。これに匹敵する作品を展示するのは至難の業かもしれない。
単純に、ハガキサイズの絵で展示スペースを埋めるか。しかし壁の寸法から計算すると、ハガキサイズ600枚程度は必要であることがわかり諦めた。インスタレーションのように、色紙や紐でデコレーションするか。見よう見まねでできるものではない(私はインスタレーション作品を作ったことは無い)。クリスマス会のようになるのが目に見えた。
欧米の民家のように、家族写真や自分の絵を壁に隙間なく貼り付けるのはどうか。これが一番しっくり来た。
画像のようにするには、額装に少し工夫がいる。通常、個展では額縁は統一するのが望ましいが、「欧米風」にするには額は揃えない方がそれっぽい。そのため、いろいろなバリエーションの額縁を用意した。
しかし、やはり枚数が足りない。
今回、約30枚の絵を出展したが、lampとコラボするために「欧米風」に展示するには、これの3倍は必要だろうと感じた。
尻切れとんぼになったが、今回の記事はこれで終わり。
あくまでこれは、演出のお話であり、絵の内容とは別。しかし今後もいろいろな場所で展示をする時に、絵の見せ方はとても重要になってくるので今回の挑戦と反省は価値のあることであると思う。
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